大学入学共通テストに「情報」が初めて出題される2025年度入試で、受験生に「情報」を課す大学が何校あるか朝日新聞と大手予備校の河合塾が調べたところ、全国で87大学が、共通テストか個別試験、または両方で課す意向を示した。ただ、大半の大学は判断材料が不足しているなどとして、「検討中」「わからない」と回答した。
朝日新聞と河合塾は全国の大学を対象に共同調査「ひらく 日本の大学」を11年度から続けている。今年度は6~8月、国公私立の775大学を対象に実施し、655大学(85%)が回答した。
教科「情報」は、高校の新学習指導要領に基づいて来年度から、プログラミングやデータ分析などを学ぶ「情報I」(必ず履修)と、発展的な「情報II」(選択)の2科目に再編される。来年度の高1は、この指導要領のもとで学ぶ最初の学年となる。この学年が高3になって臨む25年度入試では、共通テスト(25年1月実施)に「情報」(科目は「情報I」)が追加されることが決定しており、共通テストや個別試験で「情報」を課す大学がどれだけ出るかが焦点となっている。
共同調査では各大学に対し、25年度入試(一般選抜)での「情報」の取り扱いを質問。共通テストと個別試験それぞれについて「一部の学部・学科・入試方式での対応も含め、必須科目または選択科目として課す・課す方向」「課さない・課さない方向」「検討中」「わからない」の中から当てはまるものを選んでもらった。
■共通テストと個別試験の両方で課す意向の大学も
共通テストか個別試験、または両方で課す方向と答えたのは87大学。このうち京都府立医科大、東洋大など18大学は両方で「課す・課す方向」とした。「共通テストで課す・課す方向」としたのは金沢大、立教大など66大学。「個別試験で課す・課す方向」としたのは3大学だった。
一方、奈良県立医科大など57大学は、いずれでも課さない意向を示した。
ただ、共通テストも個別試験も、およそ4分の3の大学が、判断材料の不足などを理由に「検討中」「わからない」を選択。高校で「情報」を教える態勢が整っていないことを懸念する大学が複数あった。
朝日新聞DIGITAL9月20日記事より